ポリープについて

2015年7月25日

突然ですが、「さるは何年たっても人間にはなりません。」この意味は、進化の過程において、人は猿から進化したのではありません。サルと共通の祖先から進化し、猿と人間は既に枝分かれしていて、違う進化の道を進んでいます。進化は決して後戻りしません。だから猿が人間になることはありません。猿は進化した猿になります。これと同じように人間の体の中にもいろいろなポリープができますが、それぞれのポリープはさると人間ぐらい違うものなのです。

よく、外来診療でポリープについて説明する機会があります。通常ポリープと聞くと「癌の元」「癌の赤ちゃん」「癌の一歩手前のもの」など、それぞれで感じ方はさまざまだと思います。しかし、ポリープとは「でっぱているもの」という意味です。決して細胞の性質を表しているのではありません。ポリープの前にその細胞の性質を表す言葉が入ります。「腫瘍」と「それ以外のポリープ」に分けられます。腫瘍以外のポリープには炎症性ポリープや過形成ポリープなどがあります。
胃のポリープのほとんどは過形成ポリープです。「過形成」の意味ですが、正常にある細胞が形成し過ぎた状態です。一例を挙げますと、バットの素振りを続けていると手のひらの皮膚が厚くなります。それで、周りより少し盛り上がります。これが、いわば、過形成ポリープです。ポイントは厚くなった皮膚の細胞は遺伝子的変化をしておらず、正常の細胞であることです。ですから、この「手のひらのマメ」は何年たっても、癌になることはありません。すなわち、胃にポリープがあるといわれても、このポリープは癌に変化していくわけではありませんし、切除する必要もありません。
一方、大腸のポリープはほとんどが腫瘍性ポリープです。これは「できもの」ですから次第に大きくなります、大きくなると中にがん細胞が入ってくる確率が上がります。ある程度の大きさの大腸のポリープは切除したほうがよいと考えられています。

今回の内容は少し難しかったかもしれませんが、病院で「ポリープ」と言われたときに、もう一度読み返してみてください。どのような性質のポリープかを考えることで、不安な気持ちが和らぐのではと思います。

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