低糖質ダイエット3

2015年7月18日

糖尿病の食事療法は、カロリーの制限が主体でした。カロリー全体を減らし、各栄養素をバランス良く摂ることに重きをおいた栄養指導が行われてきました。あなたの栄養摂取の目標は、糖質○g、タンパク質○g、脂質○gというように。そして、栄養素の中で最もエネルギーが高い脂質がいつもやり玉にあげられ、「脂を減らしましょう。脂が多く含まれる肉は控えましょう」というように指導されてきました。
ところが、「糖質制限食」はこれまでの栄養指導とは全く異なるもので、糖質のみを制限するというものです。具体的には、ごはん、パン、めん類、砂糖や果物などの糖質は食べずに、おかずは肉でも何でも好きなだけ食べましょうというものです。ごはんを主食にしてきた私たち日本人からすると、食のスタイルが全く違うものとなってしまいます。
日本では、肥満と糖尿病は増加の一途を辿っています。そして、脂肪の摂り過ぎがその原因だと長い間いわれてきました。しかし、日本人の脂肪摂取量を調べてみると、実際は1997年以降毎年減少傾向にあるのです。脂肪摂取量は明らかに減少していますが、肥満と糖尿病は毎年増加しているという矛盾があります。そこで、各栄養素を調べてみると、摂取量が増加傾向にあるものは炭水化物だというのが分かってきました。
そこで、糖尿病の食事療法で、脂質を減らして食事をするグループと、糖質を減らして食事をするグループに分けて比較した研究があります。世界的に数多くの研究が行われていますが、脂質を減らす食事療法では糖尿病の改善はあっても軽度で、ほとんどはあまり変わらないという結果が多かったのです。
それに比べて、糖質を減らした食事療法では糖尿病の改善が明らかにあり、体重も減るという結果が多かったのです。
こうなると、従来の脂質を制限する食事やカロリー全体を減らす食事療法より、糖質だけを制限する食事療法がいいじゃない。という意見が出てくるのも分かります。しかし、日本糖尿病学会からの公式のコメントとしては「過度の糖質制限には注意を要す」となっています。実際の臨床では両者の功罪を患者に説明し、糖尿病治療に生かしていくことになると思います。

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