胃内視鏡検査(胃カメラ)とは?
胃の内視鏡検査では検査前にのどの局所麻酔を十分に行ってから検査を行います。検査は熟練した医師が行うと5~6分で終了します。これまでの検査で苦しかった方、のどが敏感でむせやすい方は鎮静剤を使用することもできます。鎮静剤によって不安と苦痛が緩和され、検査が多少苦しくても記憶に残りにくくなります。十分に鎮静剤が効いた状態で検査が行えれば、眠っている間に検査が終了します。ご希望の方は遠慮なく申し出てください。しかし、鎮静剤を使用することで、デメリット、副作用もあります。一番は検査後長時間にわたり、眠ってしまうことがあり、院内にいる時間が長くなります。さらに、たとえ眼が覚めたとしても、その日一日は体がだるく、生活に支障がある方もおられます。当院では安全性の観点から鎮静剤を使用した日の車の運転や機械の操作はしないようにお願いしております。以前よりも内視鏡が細く、柔らかくなっておりますので鎮静剤を使用しなくても比較的、楽に検査は行えると思います。
経鼻内視鏡(鼻から入れる内視鏡)のご紹介
経鼻内視鏡とは、極細の内視鏡を鼻から入れる検査です。経鼻内視鏡にはメリットとデメリットがありますので、患者様のご希望や症状などにより、どちらの内視鏡を使用するか決定します。
経鼻内視鏡のメリット | 鼻から内視鏡を挿入すると、喉の奥に当たらず、嘔吐反射(おえっとなる)が少ないです。また、検査をしながら会話もできます。口からの内視鏡がどうしても怖い、という方におすすめします。 |
経鼻内視鏡のデメリット | 内視鏡はレンズの直径が大きいものほど高画質です。直径の小さい経鼻内視鏡では、口からの内視鏡に比べて画素数に劣り、極めて小さな病変を発見することが困難です。鼻の穴が小さい方、鼻炎などで鼻道が狭くなっている方では挿入できない場合もあります。 |
当院での方針
【1】
初めての胃内視鏡検査や過去の胃内視鏡検査でつらい記憶のある方には極細の経鼻用の内視鏡(径5mm)を使用します。挿入は鼻からではなく口から行います。最も反射の強い喉の奥(下咽頭)はどちらのルートを選択しても通過します。極細の経鼻用内視鏡で違和感はかなり軽減しています。むしろ、経鼻ルートを選択した場合、狭い鼻道を通るのでその違和感、苦痛の方が強くなります。もちろん、経鼻ルートを希望された方には経鼻ルートから行っています。これまでの経験から最も楽にできる胃内視鏡検査の方法として、極細の経鼻用内視鏡を口から挿入する方法をお勧めいたしております。
【2】
胃の集団検診で異常を指摘された2次検査の方は原則的に細径高画質の胃内視鏡を使用しています(外径7.9mm)。口からの挿入になります。従来の普通径の内視鏡よりもかなり細くなっておりますので違和感は軽減しています。微小な早期がんを診断するために高画質の内視鏡での検査をお勧めいたしております。
実際の径を比較しております。右から鉛筆、経鼻用の内視鏡(5mm)、細径高画質の内視鏡(7.9mm)、従来型の通常の内視鏡(10.2mm)です。
検査の流れ
原則、お電話での予約をお願いしています。予約なしでも当日の検査件数の状況によっては可能な場合もありますので、受付で「胃カメラ希望」とお伝えください。
午前に検査をされる方は21時以降の食事はしないでください。検査の2時間前からは水分も取らないでください。当日、検査の2時間以上前であれば、朝起きてコップ1杯程度の水分は飲んで頂いてかまいません。
当院では午後(14~16時)も胃内視鏡検査を行っています。午後に検査をされる方は、当日の朝食は食べていただいて結構です。(8時までには済ますようにしてください。)昼食は抜いて頂き、検査の2時間前からは水分も取らないでください。
※寝た状態での内視鏡検査を希望される方は、検査当日の車・自転車での来院はご遠慮ください。検査後も麻酔が効き、頭がボーっとしますので、車や自転車の運転はできません。
検査当日のご注意
- 朝食は食べずに来院してください。常用薬のある方は少量の水で内服していただいても問題はありません。(薬によっては内服しないほうがよいものもありますので、事前にご相談ください。)
- 衣服は、脱ぎやすく体をしめない、ゆったりとしたものがいいです。
- たばこは、検査当日は吸わないでください。
- 検査が楽に受けられるコツは、全身の力をぬくこと、カメラを飲み込もうとしないこと(最も入りやすい場所にカメラを滑り込ませて挿入します。)、検査中は唾液などを飲み込まないことです。つまり、何もしないことが楽に受けられるコツです。(検査前には必ず、これらの説明をしています。)
1.受付 | 来院頂きましたら、受付を済ませ検査時間までお待ちください。 | ||
2.咽頭麻酔 | のどに麻酔をすることで、検査時の苦しさを和らげます。(10~15分) | ||
3.鎮静剤投与 | 寝た状態での検査を希望の方は鎮静剤を使用します。 | ||
4.検査 | 検査は5~6分程度で終了します。寝た状態での検査なら、気づかないうちに終了します。 | ||
5.検査後 | 鎮静剤を使用していなければ、すぐに結果の説明ができます。鎮静剤がきれるまで安静にして頂きます。鎮静剤を使用した方(1~1.5時間) | ||
6.結果のご説明 | 検査結果を説明致します。 |
検査後の食事は、こってりしたものや消化のよくないものを避けて、煮物、和食、麺類などをとるようにしてください
検査費用
検査費用は基礎疾患などの状況により異なります。
胃内視鏡検査は保険診療ですので、検査費用に大きな差はありません。
生検を行わない場合 | 約5,000円~6,000円(初診料など含む 3割負担分) | |
生検を行う場合 | 約8,000円~12,000円(初診料など含む 3割負担分) |
生検とは・・・病変かどうかが疑わしい場合、組織を採取し顕微鏡で観察することで診断を確定させる方法です。
当院ではできるだけ肉眼的診断を重視し、不必要な生検は行わないようにしています。